喜将会

現在は詰めろ問題と将棋系YouTuber「そらさん」のチャンネルを主に紹介してます。 また手に入った将棋関連の本やグッズの紹介もしております。

ネコ式タテ步取り❗️

≪生き物の名前がついた戦法≫

番外編 その1

将棋には生き物の名前が付いた戦法が沢山あるので番外編として11回に渡って紹介いたします。

その1として紹介するのはニャンとネコの名前が付いた戦法です。

タテ步取りとは双方が飛車先を突き合う展開で▲2四步から1步交換して▲2六飛とした飛車を後手が突いた3四の步を目標に▲3六飛と寄る戦法です。

後手はその步を守るために△3三金と上がるが先手は金を上ずらせたことに満足して飛車を左翼に持っていきひねり飛車にするのである。

1図
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ネコ式タテ步取りはユニークなのである。

1図は後手が△3四步を突いてないので目標がないようだが狙いはある。

3六の飛車をネコ、3三の步をネズミに見立てて、ネズミが顔を出したら(△3四步)、パクッと食べてしまおうと待ち構えているのである。

ネコとネズミの駆け引きなのである。

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人気戦法ランキング 第1位 PART7

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

G図
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「超急戦」と呼ばれる作戦がある。
G図は5二飛に5八金右と上がったところ。
ここから激しく戦うか穏やかに駒組みをしていくかは後手に選択権がある。
5五步、2四步、同步、同飛、5六步、同步、8八角成、同銀、3三角、2一飛成、8八角成、5五桂と進むのが超急戦だ。
飛車と角が成り合い一気に終盤戦に突入する。
駒組みをすっ飛ばして、いきなり戦いが始まるので乱戦好きの方はG図から5五步がオススメである。
この乱戦が怖いあるいは相手の研究にハマりたくないなど穏やかに指したいのなら無難に6二玉と上がるのが良いだろう。

ゴキゲン中飛車は先手の作戦にもよるが美濃に囲って軽く動いていくのが基本戦略で大きな特徴である。
久保利明九段のように軽くかつ綺麗にさばいて気持ち良く居飛車を打ち破るのもゴキゲン中飛車の醍醐味である。
ゴキゲン中飛車は指すのも見るのも楽しい戦法なので皆さんも指して「ゴキゲン」になってみたらどうだろうか。


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※今日で人気戦法ランキングの紹介は終了です。明日は番外編を紹介する予定です。

人気戦法ランキング 第1位 PART6

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

F図
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F図は先手が昔ながらの急戦で右銀を繰り出し3五步や4五銀を狙っているところ。
ここで5六步と突き出すのが平成以降の感覚で2手かけて取った位を、あっさりと手放してしまうのだ。
さて5六步に対して同步なら8八角成、同玉、5六飛として目標にされていた3三の角がさばけ先手の陣形も乱せるので後手満足である。
また先手が6六步と角道を止めてきたら5七步成、同銀上、4四步として4三銀~4二金と第2次の駒組みに移る。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第1位 PART5

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

居飛車側が早々と2二角成と角交換をして左美濃に組む作戦もある。
丸山忠久九段考案の「丸山ワクチン」と呼ばれる作戦だ。
その後、佐藤康光九段がさらに工夫を加え一時期大流行した。

E図
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E図は丸山ワクチンに対し2二飛と向かい飛車に振り直し先手が銀冠に組んだところ。
ここで2五桂と步を取ってしまうのが好手で同飛だと1四角!で必勝になる。
だから先手は7七桂と自陣整備を進めるが以下2四步、5六步、3五步から機を見て3一飛~3七桂成~3六步と打開を狙っていく。
他に5九角などの打ち込みもあり先手が神経を使う展開になる。
「桂の高跳び步の餌食」という格言があるが先手はその1步を手に入れるのが大変で、しかもこの桂は簡単に取られてしまうことはない。
なお4七の銀にヒモが付いていても2五桂が成立するケースもある。
それは2五同飛に2四步、2八飛、2五步として桂を犠牲に2筋を逆襲していく狙いだ。
ぜひ試してみて下さい。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第1位 PART4

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

D図
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D図は5四に飛車を浮いている形だが、その手を生かし2四飛と飛車をぶつける豪快な手がある。
先手は2七金と交換を拒否してくるが4四角と上がれば後手は軽い形で調子が良い。
以下3三桂~6二角~5三銀~5四銀と活用していき余裕があれば玉から離れている3二の金を4二~5二に引き付けタイミングを見て4四步~4五步と戦いを起こしていく。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第1位 PART3

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

C図
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C図は先手が4七から3六に銀を繰り出した局面。
一見、步越し銀で悪形に思えるが4五~3四と步を取りながら進出する順を狙っていて油断ならない。
そこでC図から後手は5六步と突く。
以下同步、同飛、4七金、5一飛、4五銀、2二角、3四銀と進む。
後手は步を取らせる代わりに飛車先を軽くし銀交換を狙う。
金が4七に離れた先手陣は薄いので後手も十分に戦える。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第1位 PART2

ゴキゲン中飛車

昨日の続き。

B図
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B図は先手が穴熊に組み相穴熊になった進行例。
先手は4枚の穴熊、後手は4一の金が離れていて一見先手が満足に見える局面。
しかしA図の7九銀右は実は危険な手で、この局面は後手が大チャンスなのだ。
すかさず4四飛と一つ寄る手が好手で早くも後手が一本取っている。
4七飛成を受けるには4八飛と飛車を回って守るしかないが、そこで4五飛と今度は縦に一つ浮くのが面白い好手だ。
2五の步を守るには2八飛しかないが、それには4七飛成と成り込めるし、このまま2五飛と回れれば持ち駒のない先手は2筋からの成り込みを防ぐことができない。
結局4筋か2筋のどちらかから後手は無条件で飛車を成り込むことができる。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第1位 PART1

ゴキゲン中飛車

戦法ランキング第1位にはプロアマ問わず大人気を誇る「ゴキゲン中飛車」が輝いた。
ゴキ中は基本、角筋を止めないし止める時も5五步型なので、もう一つポンと步を突けば直ぐに戦いを起こすことができる。
場合によっては角交換辞さずの指し方もできる。
振り飛車には角交換」は、もはや通用しない。
人気戦法だけあって居飛車側にも様々な対策が生まれた。

A図
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A図はゴキ中対策で一番人気の「超速」から先手が2枚の銀を6六、4六へ繰り出す作戦を採った形。
A図から4五桂と先手が仕掛けてきたら2二角と引く。
2四步、同步、同飛と飛車先交換はされてしまうが3三桂とぶつけ同桂成、同角で振り飛車の命とも言える左桂がさばける。
以下は5四桂と銀の両取りに打ったり8四桂と打って7六桂を狙うなど手にした桂で先手陣の攻略を図る。
また2二角では4二角と引く手も有力だ。
5五への角の利きが消えるので5五銀左、同銀、同銀と步を取られてしまうが、やはり3三桂とぶつければ同桂成には同角が5五の銀取りになる。
銀を手持ちにして玉の堅さを頼りに手を作っていく、それがゴキ中の基本戦略だ。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART7

居飛車穴熊

昨日の続き。

最後にユニークな穴熊神吉宏充七段が得意としていた「神吉穴熊」を紹介する。

H図
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H図がその神吉穴熊だが8八にいる銀を左美濃に組んだ後4八~5九~6八~7九~8八と右銀を動かしてきたのである。
神吉穴熊の大きな長所は2つあり左美濃に組んでから穴に潜るため組み上がりまで離れ駒ができず、いつ戦いになってもよいところと5筋を突かないところである。
これにより4三の銀を5四~6五と出られても2六飛と浮けば7六の步を守れるのである。
H図からは先手だけの手を言うと6八金寄~8六步~8七銀右~7九金~7八金寄とさらに固めたり3八飛や4六步~4五步と動く手もあり、様々な指し方ができる。

※以上のように「居飛車穴熊」は堅陣を生かして舟囲いなど薄い囲いでは出来ない強引な仕掛けからガンガン攻めまくることができる。
また終盤も速度計算が容易であり、さらに王手が掛からないので「王手○○取り」等の心配もないのが長年愛され続けてきた人気の理由である。


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人気戦法ランキング 第2位 PART6

居飛車穴熊

昨日の続き。

G図
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ゴキゲン中飛車に対して一番人気の「超速」から穴熊に組むのも有力だ。
G図は銀対抗から相穴熊になった一例だ。
後手が工夫をせずに駒組みを進める
と機敏な一着がある。
8六角の覗きが好手で早くも先手が一本取っている。
単純な角成りが受けにくいのだ。
5一飛や3二飛は4五銀、同銀、同桂で桂が活用でき先手良し。
また後手4二角のぶつけも同角成、同飛に2四步から2筋を突破できる。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART5

居飛車穴熊

昨日の続き。

F図
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10年くらい前まではゴキゲン中飛車に対して穴熊は損な作戦として見られていた。
5筋の位が大きく右銀が使いにくく、6四銀~7二飛と7筋から動かれた時に、うまい対策がなかったからだ。
ところが豊島将之竜王が画期的なアイデアを見せ瞬く間に流行した形がF図である。
穴熊は8八に銀を上がるのが当たり前だが豊島竜王は7九のまま駒組みを進めたのである。
F図で後手から7六步と打たれても8八角と引けば角筋が6六からそれないため以下5六步には同步で攻めが続かない。
F図からの一例は2四步、同步、3五步、同步、3四步、5一角、6五步、5二飛、5六步と突き上げて手が続いていく。
こうなると7五の銀はあまり脅威ではなくバラバラな後手陣に対し金銀4枚がまとまった先手陣との差が大きく先手良しの展開になる。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART4

居飛車穴熊

昨日の続き。

E図
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E図は右銀を7九に引き付けた四枚穴熊で松尾歩八段が指し始めたことから「松尾流穴熊」と呼ばれている。
後手はノーマル三間飛車から石田流に組み替え駒組みを進めているが、ここでうまい打開がある。
5七金と守りの金を攻めに駆り出すのが好手で次に4六金と上がれば3五金が受からない。
後手は4五步、4六步、4四銀と金の進出を拒んでくるが2四步、同步、4五步、同銀、4六步で先手良しになる。
以下3六步には4五步、3七步成、4四步と強く戦い①4八とは4三步成②3六とは4五銀③4四同飛は3七桂④4二步は4六金、4八と、3五金で、いずれも先手大優勢である。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART3

居飛車穴熊

昨日の続き。

D図
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D図は四間飛車に対し6七金型に組んだ形で、ここから4六步、同步、同銀、4五步に2四步!が好タイミングの突き捨てになる。
後手4六步は2三步成で2筋が突破できるので2四同步だが5五銀が5筋交換を逆用するぶつけで5三銀のかわしには①4三步、同飛、2四角②4四步、同銀(5四步は4五桂)、同銀、同飛、2四角③3五步のいずれの攻めでも先手良しになる。
また後手が5五同銀では同步、同角、2四飛で2筋の突き捨てが生きて突破できる。
D図の囲いは3枚の穴熊やビッグ4に比べると強度は弱いが、それでも十分な堅さと遠さがあるので、やはりガンガン攻めていけるのである。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART2

居飛車穴熊

昨日の続き。

B図
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B図は4六銀と右銀を攻めに使った進行例。
3五步に7二金は3四步、同銀、3八飛、また3五步に4五步は3三角成、同桂、3四步、同銀、3八飛でいずれも先手良しになる。
戦いになってしまえば先手陣の穴熊はまるで超合金のように堅く反撃を気にすることなく攻め込んでいける。

C図
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C図は右銀をさらに引き付けた進行例で「ビッグ4」と呼ばれる形。
上部が厚くなり唯一の弱点であった端をカバーし、これ以上ない堅さになった。
まさに「最強」といわれる陣形である。
C図は後手が4二の角を桂取りに6四に出てきたところだが、ここで桂取りに構わず2四步!が堅陣を生かした踏み込み。
3七角成は2三步成、2六馬、2二と、となって飛車の取り合いは陣形差で先手良し。
また後手2四同步も一発2三步のたたきが好手で2三同飛は2四飛で飛車交換が必至となるし6二飛と逃げるのも2四飛、3七角成、2二步成と飛車先突破して先手優勢になる。
このような強襲は薄い舟囲いではとてもできず「穴熊の暴力」といわれている。

明日に続く。


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人気戦法ランキング 第2位 PART1

居飛車穴熊

第2位は堅さを生かして攻めて攻めて攻めまくる振り飛車に対する最強戦法「居飛車穴熊」だ。
昭和50年位までは振り飛車に対しては急戦がほとんどであったが当時の田中寅彦四段(現九段)が居飛車穴熊を連採し堅さと遠さを生かして勝ちまくり、その優秀性が認められた。
今ではプロアマ問わず対振り飛車いちばんの人気戦法となっている。
やはり「勝てば官軍」で田中九段の大活躍により徐々に「穴熊なんて邪道の戦法」のイメージも払拭されメジャー戦法の仲間入りを果たしたのである。
一口に居飛車穴熊と言っても様々な形がある。

A図
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A図は対四間飛車における居飛穴の形で隅にまとまった金銀3枚の囲いがすこぶる堅固な上に深い。
ここからは5七の銀を4六に上がり3筋から攻める形と6六~7七と引き付け四枚穴熊を目指す指し方に分かれる。

明日に続く。


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