人気戦法ランキング 第28位

≪オールド雁木≫

A図
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近年流行の雁木だが、戦法としては江戸時代から存在した。
現在と違うのは5筋を突く形であることだ。
A図からは6五步と角道を通す。
7四步には4五步、同步と勢いを付けてから3七桂と活用する。
以下は6四步なら3五步、同步、4五桂、4四銀、4六銀と攻めを繰り出す。
先手は次に3三步、3五銀~1一角成など厳しい狙いがあり、一方的に攻めることができる。
5~6筋が手厚い形なので、相手に右四間から速攻を狙われた場合には、現代でもこの形で受けることがある。
臨機応変に新型雁木とオールド雁木を使い分けられるようになれば、雁木マスターだ!


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人気戦法ランキング 第29位

≪右四間飛車(対矢倉)≫

A図
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四間飛車はファンの人気が高い戦法だ。
振り飛車だけではなく、対矢倉や雁木においても有力である。
飛車、角、銀、桂で4筋を集中砲火する、シンプルながら高い攻撃力を秘めているのが人気の理由だろう。
A図では2五桂と跳ねる。
2四銀に4五步と突けば後手陣はつぶれている。
4五同步とはもちろん取れないし、5三銀にも4四步、同銀、同飛、同金、同角で、先手大優勢だ。
これは先手がうまく行きすぎた例だが、仮に後手玉が角筋に入っていなくても、同様の筋で仕掛けていけばよい。

B図
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B図は居玉での速攻右四間飛車
こんな仕掛けで大丈夫か、と思われそうだが意外に手になっている。
6五同步なら8八角成、同金、6五銀、6六步、同銀、同銀、3九角が一例で、これは後手の攻めが成功だ。
B図では6七銀が受けの形。
中央や6筋に手厚い雁木で右四間につぶされないようにする。
6六步なら同銀直、6五步、5五銀が一例で、いい勝負だ。
後手が簡単に良くなるわけではないが、攻め続けて主導権を握ることができる。
攻めが好きな人は相居飛車、対振り飛車と何でも右四間にするのがオススメだ。


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人気戦法ランキング 第30位

≪阪田流向かい飛車≫

A図
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7六步、3四步、2六步、3二金の1手損角換わりの出だしから、2五步に3三角と上がるのが阪田流。
以下3三同角成、同金、6八玉に2二飛(A図)と回る。
向かい飛車の一種なので、やはり後手は2四步の逆襲が狙いとなる。
ただし、先手が2五步を決めずに7八金や4八銀の場合は居飛車で戦うことになるので、居飛車振り飛車両方指せなくてはならない。
純粋振り飛車党では選びにくい作戦だ。

B図
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進んでB図。
ここから2四步、同步、同金と攻める。
角交換振り飛車では逆棒銀と呼ばれる攻めだが、阪田流向かい飛車では逆棒金というべきか。
以下後手は2五金と進み、更に2六金~2七金とずんずん行くか、2六步と押さえてから3五金と寄るか。
いずれにしても金の力で先手の飛車を目標にすることとなる。
定跡にとらわれない力将棋を指したい方にオススメしたい作戦だ。


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人気戦法ランキング 第31位

三間飛車藤井システム

A図
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藤井システムと言えば四間飛車だが、近年は三間飛車にも応用されるようになった。
A図がその局面。
飛車の位置以外は藤井システムと同様だ。
藤井システムに対してはいわゆる右銀急戦で角頭を攻めるのが有力な作戦だったが、三間飛車はあらかじめ角のいる筋に振っているため、右銀急戦に対しては1手得となるのが主張だ。
後手が持久戦を目指した場合は、A図では3六步と突いて急戦を狙う。
以下は藤井システムのように3七桂と桂で攻めて行くのもよいし、3七銀~4六銀~3八飛のように袖飛車に振り直すのも有力だ。
後者は7八金~6八玉のように玉を囲うことになるため、布陣としては新型雁木に近い。
三間飛車の皮を被っているが、雁木系の将棋も内包している現代調の作戦。
それが三間飛車藤井システムだ。


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人気戦法ランキング 第32位

≪一手損角換わり≫

A図
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7六步、3四步、2六步、3二金、2五步、8八角成!
後手の上に1手損。
一昔前なら「やっちゃいけない」と注意されてしまいそうな禁断の戦法だ。
では1手損するメリットとは何か。
A図は相腰掛け銀。
それまでの同形なら後手の步が8五にある。
同形ならば先手は4五步、同步、2四步、同步、1五步、同步、7五步、同步、3五步のように激しく攻め込み、1~4筋だけではなく、どこかで7四步も狙いとなる。
その7四步に対応しているのが一手損角換わりの骨子だ。
8五步型なら7四步を喫すると桂損+と金でまずいが、8四步型なら7四步には8五桂と銀取りの先手で桂を逃げることができる。
後手の右桂を使いやすいのがメリット。
ただし、相腰掛け銀なら生きる1手損も、早繰り銀や棒銀のように急戦をされるとマイナスになりやすいのに注意。


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人気戦法ランキング 第33位

≪超速3七銀≫

A図
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振り飛車党にとって救世主となったゴキゲン中飛車
一方の居飛車党にとっては最大の敵となった。
様々な対策が出てきたが、いずれもゴキゲン中飛車の流行を止めるには至らず。
そんな中で登場したのが星野良生四段の生み出した超速3七銀戦法で、登場するやいなや爆発的に流行した。
A図がその出だし。
ここから3六步、6二玉、3七銀、7二玉、4六銀と、7八玉と囲う手よりも銀を進めるのを優先するのが「超速」の所以。
それから7八玉と囲い、3五步の仕掛けや4五銀を狙うことになる。
後手も3六步に4二銀、3七銀、5三銀、4六銀、4四銀と歩調を合わせる指し方や、3二銀や3二金と低い構えから5六步を狙う指し方などがあり、現在も一進一退の攻防が繰り広げられている最新形の一つだ。


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人気戦法ランキング 第34位

≪4手目3三角戦法≫

A図
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力戦派の振り飛車党に好まれる作戦の一つが4手目3三角戦法だ。
初手から7六步、3四步、2六步に3三角(A図)で正体を現す。
対して2五步のように角交換を保留してくれば2二銀、3二銀、4二銀で安定した形を作ることができる。
A図で3三同角成、同桂に、①2五步なら2二飛や3二金~4二飛で角交換振り飛車となる。
②4八銀や6八玉なら同様に角交換振り飛車にしてもよいが、4四角、8八角に8四步で、力戦の相居飛車に持ち込む選択肢もある。
相手の出方を見て居飛車振り飛車か選ぶ柔軟性も秘めている。
いずれにしても後手は手損せずに角交換に持ち込むことができるのだが、桂を早く跳ねるため負担になる可能性もある。
「桂の高跳び步の餌食」にならないように注意が必要だ。


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人気戦法ランキング 第35位

≪ダイレクト向かい飛車≫

A図
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角交換振り飛車の中でも、1手の得を追求した強情な振り飛車が、ダイレクト向かい飛車である。
A図で6八飛なら普通の角交換振り飛車だ。
ただ、将来8八飛と振り直す可能性が高いため、1手損になるのが不満なところだ。
この損を拒否したのが力戦振り飛車を得意とする佐藤康光九段。
「新幹線のよう」との感想から新幹線飛車とも呼ぶ。
A図で堂々と8八飛と回る。
6八飛の途中下車を省略したところからダイレクトと呼ばれるようになった。
もちろん4五角の筋が気になる。
対しては3六角が用意の手(形によっては3六步もある)。
対して6七角成なら5八金左とし、①同馬、同金、3五金、または②3五步、6七金、3六步となる。
3六角には同角の変化もあり、玉形の乱れる力戦になることは覚悟する必要がある。


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本の紹介 78

今回紹介するのは、2017年9月14日発売のマイナビ将棋BOOKS『規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦 最新編』という本です。
著者は斎藤慎太郎八段、出版社はマイナビ出版さんです。
本書は前回紹介した基本編の続編である。
今回は「5手目7七銀」を特に重要なテーマとして多くページを割いている。
後手が左美濃に囲わず仕掛ける順や、居玉で戦う変化まで解説されており、後手が先攻する感覚を身に付けることができる。
矢倉に対して左美濃の急戦策は、主導権を握れる可能性が高く指していて楽しい将棋になる。
攻めの好きな方は是非取り入れて頂きたい作戦である。
皆さんも指せば、棋力や勝率がアップするかもしれませんよ。

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人気戦法ランキング 第36位

≪2手目3二飛戦法≫

A図
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2手目で戦型が確定するのが「2手目3二飛戦法」だ。
今泉健司四段が2度目の奨励会時代に升田幸三賞を受賞した戦法で、わずかな得を追い求めている。
A図で2六步なら6二玉と上がる。
以下2五步ならそこで3四步とし、2四步、同步、同飛に8八角成~3三角だ。
また、2六步には4二銀も有力で、2五步にもやはりそこで3四步だ。
角道を開けるのを一手遅らせることにより、6二玉や4二銀を指すことができる。
7六步、3四步、2六步、3二飛だと、2二角成~6五角が厄介だからだ。
ただし、初手2六步と突かれてしまうと3二飛には2五步とされて2筋が受からない。
これは失敗だ。
手の内がバレていると簡単に封じられてしまう点には注意したい。


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将棋のマンガ 33

今回紹介するのは、2021年2月20日発売の『将棋少年』という本です。
原作は「おおきぼん太」さん、監修は飯塚祐紀七段、発行所は朝日新聞出版さんです。
本書は、人生を賭け勝負を繰り広げる鬼の住処とも称される奨励会で、将棋のプロ棋士を目指して狭き門を奪い合うライバルたちが、同時に何年も掛けて同じ趣味を研鑽しあう無上の友人でもあるという物語である。

「一途な少年は美しい」のである。

おおきぼん太先生の綺麗な絵も素敵なので、興味ある方は是非読んで見て下さい。

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本の紹介 77

今回紹介するのは、2017年4月14日発売のマイナビ将棋BOOKS『常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編』という本です。
著者は斎藤慎太郎八段、出版社はマイナビ出版さんです。
この戦法は囲いが分かりやすく、3二銀~4二玉~3一玉の3手で完成できる。
この囲いはとにかく堅い。
また矢倉への攻撃力がとにかく高く、飛角銀桂+金を前線に繰り出すために步の手筋をうまく使っていくのがポイントになる。
自玉が堅いので、多少の駒損は気にしないで相手玉への攻めが繋がるかどうかがカギである。
後手番でも功勢が取れるため、攻めの棋風の方に特にお勧めできる。
本書では、飛や角を相手陣の金や銀と交換する豪快な攻めを「左美濃スタイル」と表現している。
何か斎藤先生のようにカッコいいネーミングなので、読んでいてドンドンのめり込んでしまった。
皆さんも得意戦法レパートリーに入れて「左美濃ライフ」を始めて、矢倉党をアッと驚かせましょう!

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人気戦法ランキング 第37位

≪戸辺流4→3戦法≫

A図
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ダイレクト向かい飛車が強情な戦法なら、柔軟な戦法が4→3戦法だ。
4→3とは、いったん四間飛車に振ってから、三間飛車に振り直すことを意味している。
出だしは角道オープン四間飛車と同様で、ひとまず4二飛と振っておく。
玉を移動させたあと、A図で3二飛と飛車を振る。
7二玉まで指したことにより、2二角成~6五角の筋が消えている。
3二飛に2五步なら3五步と突いていく。
2四步、同步、同飛なら8八角成、同銀、2二飛が角交換系の振り飛車ではお馴染みの反撃で大丈夫だ。
2四步を突かずに5八金右なら3四飛と浮く。
これは1手損しているが、升田式石田流の将棋となる。
4→3戦法は乱戦を防ぎながら升田式石田流を目指すことのできる作戦。
じっくりと戦いたい時にオススメだ。


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人気戦法ランキング 第38位

≪対矢倉左美濃急戦≫

A図
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7六步、8四步、6八銀、3四步に対し、5手目は長らく6六步が主流だったが、この手を激減させたのが対矢倉左美濃急戦だ。
バリエーションはいくつかあるが、代表的なのがA図の構えだ。
後手は角を2二角においたままで使っていく。
A図から6五步、同步、7五步と仕掛ける。
飛車、角、銀、桂と4枚の攻めで理想的だ。
以下7五同步なら8六步、同步、6五桂が腰の入った攻めで、先手は受け切るのが困難だ。
後手の低い左美濃は堅く、チャンスがあれば飛車を切って攻めることもできる。
場合によっては8四飛と浮いたり、6二金の形もある。
この作戦が非常に優秀とわかったため、5手目は7七銀と上がることが増えていった。
6六步さえ突かなければ6五步の仕掛けがないため、左美濃急戦も効果半減となるからだ。


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人気戦法ランキング 第39位

≪現代流6七金左矢倉(土居矢倉)≫

A図
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温故知新とも言うべき戦法が土居矢倉だ。
A図は1940年の第2期名人戦七番勝負第3局の局面である。
この7八玉+6七金+5八金の構えが土居矢倉。
後手の総矢倉と比べると堅さでは劣るが、駒の連結が良く、また角の打ち込みにも強い。
この将棋は角換わりの出だしから行き着いた局面だが、近年は矢倉から6七金右ではなく6七金左と上がり、この囲いを目指すことが増えた。
新型雁木のように、玉の堅さよりも角交換を前提としたバランスの良い陣形が見直されたためだ。
土居矢倉は昭和初期に見られた矢倉だが、令和の時代の救世主になるかもしれない。


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