喜将会

現在は詰めろ問題と将棋系YouTuber「そらさん」のチャンネルを主に紹介してます。 また手に入った将棋関連の本やグッズの紹介もしております。

人気戦法ランキング 第55位

≪陽動振り飛車

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210202175434j:plain

陽動振り飛車は矢倉の出だしと見せ掛けて、突如振り飛車に変化する戦法だ。
初手から7六步、8四步、6八銀、3四步、6六步、6二銀、5六步に6四步から右四間飛車を見せて、7八金を強要してから飛車を振る。
A図が出だしの一例。
ここから2二飛と振るが、序盤の出だしによっては三間飛車四間飛車も考えられる。
先手は玉を固めにくく、急戦を選びにくい。
居飛車振り飛車両方を指しこなせる人でないと指せないが、名人戦にも登場したことのある有力な作戦だ。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第56位

≪角道クローズ左美濃

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210201164916j:plain

強力な先手中飛車に対し、居飛車も後手ならではの作戦を考えるようになった。
それが角道不突き左美濃だ。
居飛車が先手の場合、後手の態度を見る前に7六步を突いていることが多い。
だが後手なら先に相手の態度を見ることができるので、中飛車が確定したら3四步と突かずに進める。
角道を開けなければ5四步の決戦策も効果半減というわけだ。
A図が駒組みの基本図。
3四步はタイミングを見て突く。
1四步は大事なところで、場合によって1三角と使う手も狙っている。
7二飛と寄って角頭を狙うか、7三桂と駒を活用していくか。
後手は左美濃の堅陣から先攻が可能だ。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第57位

≪飯島流引き角≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210131230536j:plain

飯島栄治七段が作り出した振り飛車対策が飯島流引き角戦法だ。
他の振り飛車に対しても使われるが、A図がその一例。
先手に5筋の位を取らせずに、後手は角道を開けず3二銀~3一角とする。
これが「引き角」だ。
以下後手は5三角と上がってから4二玉~3一玉と囲う。
3四步を突かないことにより、平べったい美濃囲いの堅陣を作る事ができるのが魅力だ。
主導権を渡さず戦うことができる。
なお先手で指す時は、2六步、3四步に4八銀と指すため、8四步と居飛車にされた時の用意も必要となる。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

将棋のマンガ 32

今回紹介するのは、2021年1月29日発売の『永世乙女の戦い方』の第4巻です。
著者は「くずしろ」さん、監修は香川愛生女流三段、出版社は小学館さんで、ビッグコミックスペリオール掲載作品です。
今回は白熱するマイナビ女子オープンで絶対女王・天野香織との対局を目標にしている早乙女香に三面の顔を持つ女流期界の魔女・夏木小百合七段が立ちはだかる。
激闘の行方は果たして!?
ちなみに第5巻は6月末発売予定だそうです。
次回も楽しみですね。

f:id:kitakata_shogi_family:20210130202428j:plain
f:id:kitakata_shogi_family:20210130202458j:plain

人気戦法ランキング 第58位

≪矢倉中飛車

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210130193246j:plain

矢倉中飛車は急戦矢倉の一種だ。
中飛車に振って、5~6筋から先手の矢倉に攻め掛かる。
A図がその構え。
6四步~6三銀の形を作ってから中飛車にする。
A図で2五步なら、5五步、同步、同飛、5六步、5一飛としてから5四銀~6二金~7三桂と銀桂を使っていく。
あとはもう1手3一玉と寄ってから、6五步と仕掛けていけばよい。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第59位

≪矢倉流中飛車

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210129194802j:plain

矢倉流中飛車は戦型の矢倉とは関係ない。
矢倉規広七段の名が付けられた中飛車だ。
角道を止めた中飛車から、相手の持久戦を見て5三銀~6四銀と繰り出す。
A図のように銀が向かい合った形が矢倉流中飛車だ。
ここで中飛車には拘らず、4二飛と振る。
以下9八香なら、4五步、2六飛、7二銀、7八金、4四角、3六飛、3二飛と寄って、次の3五步~3六步で飛車交換を狙う。
先手の穴熊が完成してしまう前に終盤に持ち込んでしまうのが後手の狙いだ。
対応によっては美濃囲いではなく穴熊を目指す展開もある。
軽快な動きでポイントを奪う振り飛車だ。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第60位

≪嬉野流≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210128204457j:plain

初手に6八銀(A図・後手なら4二銀)と上がるのがアマチュアの嬉野宏明さん開発の嬉野流だ。
初めて見た人は面食らうこと間違いなし。
この戦法に興味を持ったアマ強豪の天野貴元さんにより、定跡書が出版され世に広まった。
奇襲戦法の一種であるが、意外に奥深い。
相手が振り飛車ならば鳥刺しにすればよい。
角交換にはなりえないので、流行の攻める振り飛車を封じることができる。
8四步と居飛車でくれば、7九角と引いて後の飛車先交換に8八步と低く受ける。
以下は左右の銀を繰り出して押さえ込みを図る。
玉が薄く勝ちにくいが、初手から定跡を外す力戦に持ち込むことができる。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第61位

≪ツノ銀中飛車

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210127174444j:plain

ツノ銀中飛車は角道を止めた中飛車の一種で、昭和の時代に多く指された。
大山康晴十五世名人や大内延介九段の得意戦法でもあった。
A図のように5八飛の中飛車に対し、6七銀、4七銀と2枚の銀を配置した形がツノに見えることから名づけられた。
A図からもう一手5九飛と引いた形のバランスが良い。
7八金と上がった形が好形なので、急戦にも対応しやすいのが特徴だ。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第62位

≪角頭步≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210126194334j:plain

角の頭を狙う戦法は多い。
角頭步戦法はその弱点を自らさらけ出す大胆な作戦だ。
先手でも後手でも使える。
初手から7六步、3四步に8六步(A図)と突く。
8四步と突かれると早くも角頭がピンチのようだが、2二角成、同銀、7七桂と跳ねて8五の地点を受ける。
そこで8七角が気になるが、6五角の切り返しがあって大丈夫だ。
後手が4三の地点を受ければ7八銀で先手良し。
奇襲めいているが、なかなかに味のある戦法だ。
なお近年は角交換振り飛車そのものが増えたことにより、角頭步戦法も見直されつつある。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

本の紹介 76

今回紹介するのは2018年2月26日発売の『対中飛車 角道不突き左美濃』という本です。
著者は都成竜馬(となりりゅうま)先生、出版社はマイナビ出版さんです。
本書は「ゴキ中」対策として非常に使える戦法だと個人的に思っている。
狙いは単純で破壊力もあるのでハマれば格上の相手も倒すことができる作戦である。
左美濃(舛田美濃)に囲って端に角を上がって攻めるのであるが、その後の変化が相手の形によって実は意外と難しいところがあるが、強烈なパンチを相手に与えることができるので覚える価値はあるはずである。
私の知っている有段者の子が、「ゴキ中」使いの格上の同学年の子に、この戦法を大会で採用して勝利をおさめた時は、「有力な作戦」だと改めて思いました。

f:id:kitakata_shogi_family:20210126124650j:plain
f:id:kitakata_shogi_family:20210126124751j:plain

人気戦法ランキング 第63位

≪対振り玉頭位取り≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210125180824j:plain

昭和の時代の対振り飛車と言えば、玉頭位取りだ。
米長邦雄永世棋聖や有吉道夫九段が得意としていた。
A図が玉頭位取りの基本的な形。
7五步と位を張っておくのが攻防に大きい。
A図以下先手は6七金と上がり、6八金上と固めるか7七角~8八玉~7八金と深く囲うかどちらか選択する。
いずれにせよどこかで6五步から6筋を交換する手が、角筋を通して味が良い。
なお現代では、角道を止めた振り飛車に対して使われることはほとんどないが、角交換振り飛車の持久戦では有力な戦法となっている。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第64位

≪高田流左玉≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210124200447j:plain

居飛車から、地下鉄飛車にして玉を飛車の方に囲うことを右玉と言った。
ここで見ていく高田流左玉は相振り飛車から玉を飛車の側に囲う左玉で、高田尚平七段が得意としていた。
マイナーながらなかなか有力な戦法である。
A図が基本的な形。
向かい飛車にして、玉を7八へと囲う。
序盤に6筋の位を取っておくのが大切で、後手の美濃囲いの進展を防いでいる。
右辺は3八金の1枚で守り、玉頭方面から少しずつポイントを稼いでいくのが狙いだ。
相手が対策を知らなければ、圧勝することもできる。
右玉が好きだが対振り飛車は嫌い。
そんな人にピッタリの戦法。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第65位

≪塚田スペシャル≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210123140352j:plain

若かりし頃の塚田泰明九段が勝ちまくったドル箱戦法が塚田スペシャルだ。
相掛かりから、一度切った步を2四步と合わせ、後手の横歩と端攻めを狙うのが作戦の骨子である。
A図が基本図といえる局面。
ここで6四飛と取り、8八飛成(同銀は8六角の王手飛車)に6二飛成が用意の一手。
同金に8八銀と手を戻せば、角銀交換の駒損ながら先手には飛車を打ち込むスキがなく、後手は陣形をまとめづらい。
この攻めが強力で、先手が白星を重ね続けた時代があった。

B図
f:id:kitakata_shogi_family:20210123140544j:plain

B図は当時、塚田泰明六段(当時)が16連勝した一戦である。
相手は、なんと羽生善治四段(当時)であった。
B図の7一金寄りは、塚田スペシャルの狙いの一つである6四飛~6一飛成のケアだが、ここから1五步、同步、1四步、2三步、2五飛、1六步、2六飛とゆっくり指すのがもう一つの狙いだ。
一気の強襲だけでなく、持久戦から少しずつ得を拡大する指し方もある。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第66位

≪対振り5筋位取り≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210122191624j:plain

振り飛車に対する5筋位取りは、かつて数多くの名局を生んできた。
A図が基本図。
5五步と中央の位を取り、5六銀で位を支える。
先手の狙いは3七桂~4六步~4五步の急戦だ。
5筋の位は後手の角のさばきを押さえており、機を見て5四步と突き出す味が良い。
ちなみに5六に右の銀を持っていき、左の銀を5七に配置してじっくりと指す持久戦バージョンもある。
昔の将棋観は5五の位を天王山といって重視していたのである。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』

人気戦法ランキング 第67位

≪対振り6筋位取り≫

A図
f:id:kitakata_shogi_family:20210121205154j:plain

7筋の位を取るのは玉頭位取り、5筋の位を取るのは5筋位取りだが、間の6筋を取る形もある。
A図は6筋の位を支えたところ。
A図を見ればわかるように、6筋の位は美濃囲いの発展を押さえている。
美濃囲いから高美濃にするには6四步が必須だが、ここを突けないと後手の囲いは立体的にならない。
後手もこの状態では7四步を突きづらいので、さらに7五步と位を取ることもできるだろう。
そうなれば作戦勝ちになりやすい。


将棋世界Special 将棋戦法事典100+ 王道 流行 珍戦法 完全網羅!(マイナビ出版)による 』