≪塚田スペシャル≫
A図
若かりし頃の塚田泰明九段が勝ちまくったドル箱戦法が塚田スペシャルだ。
相掛かりから、一度切った步を2四步と合わせ、後手の横歩と端攻めを狙うのが作戦の骨子である。
A図が基本図といえる局面。
ここで6四飛と取り、8八飛成(同銀は8六角の王手飛車)に6二飛成が用意の一手。
同金に8八銀と手を戻せば、角銀交換の駒損ながら先手には飛車を打ち込むスキがなく、後手は陣形をまとめづらい。
この攻めが強力で、先手が白星を重ね続けた時代があった。
B図
B図は当時、塚田泰明六段(当時)が16連勝した一戦である。
相手は、なんと羽生善治四段(当時)であった。
B図の7一金寄りは、塚田スペシャルの狙いの一つである6四飛~6一飛成のケアだが、ここから1五步、同步、1四步、2三步、2五飛、1六步、2六飛とゆっくり指すのがもう一つの狙いだ。
一気の強襲だけでなく、持久戦から少しずつ得を拡大する指し方もある。