喜将会

現在は詰めろ問題と将棋系YouTuber「そらさん」のチャンネルを主に紹介してます。 また手に入った将棋関連の本やグッズの紹介もしております。

人気戦法ランキング 第40位

≪極限早繰り銀≫

A図
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初手から2六步~2五步を決める将棋は、ゴキゲン中飛車や角交換振り飛車、横步取りを封じられる半面、相居飛車になった時に後手の作戦が広いのが難点だった。
そんな中、先手の有力な作戦として現れたのが極限早繰り銀だ。
A図で従来なら後手の飛車先交換を阻止するために3三角成としていたが、後手は手の損得なく飛車先を8四で止めることができた勘定だ。
手損をせずに一手損角換わりができたことになる。
極限早繰り銀は後手の飛車先交換を恐れず、3六步、8五步、3七銀、8六步、同步、同飛に4六銀と繰り出していく。
先手はとにかく3五步から角頭を攻めるのが狙いとなっている。
後手は一度3三角と上がっているため、8八角成は2手損となるため指しづらい。
先手の利を生かし、銀を最速で繰り出して主導権を握りにいく戦法だ。


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人気戦法ランキング 第41位

≪初手7八飛戦法≫

A図
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初手にいきなり7八飛で三間飛車宣言!
初めて見た相手は面食らうこと間違いなしだ。
角交換のタイミングを押さえることで、角道を止めずに戦う含みがある。
A図で3四步なら6八銀と上がり、8四步にはそこで7六步と突けばよい。
6八銀と上がったことで、8八角成~4五角の筋に対応できている。
これが初手7六步だと、3四步、7八飛では8八角成~4五角がある。
振り飛車になった時も6六步を突いていないので、後手に簡単に主導権を取られることもない。
またA図で8四步なら、7六步、8五步、7七角で大丈夫。
以下3四步なら6六步でノーマル三間飛車に戻してもよいし、4八玉で角交換振り飛車含みでも戦うことができる。


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人気戦法ランキング 第42位

≪2手目7四步戦法≫

A図
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7六步に7四步(A図)。
何とも珍妙な出だしだが、意外に有力な戦法である。
5五角と覗かれても3四步や9二飛で何事もない。
また7八飛も気になるが、7二飛、5五角、8二銀で大丈夫。
こうなると7筋の步を交換できるわけではないが、見合いの格好で後手としても不満はない。
後手は7二飛と寄って7筋の步交換を目指したり、6二銀~7三銀と早繰り銀で攻めるのも有力だ。
角道を開けないことにより、先手の角を目標にすることができる。
基本的に袖飛車系の将棋になりやすい。
また初手から7六步、3四步、2六步と居飛車が確定してから、7四步とするのも有力な指し方だ。
定跡形を指すのが嫌で、とにかく力戦形の将棋を指したい、という方にオススメの作戦だ。


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人気戦法ランキング 第43位

≪超急戦(対ゴキゲン中飛車)≫

A図
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振り飛車の定跡の中で、最も激しい展開になるのがゴキゲン中飛車に対する5八金右超急戦だろう。
A図の5八金右に対し①6二玉なら4八銀と上がり、5五步の瞬間に2四步と飛車先の交換ができるようになるので先手の不満がない。
強く応じるなら②5五步で、以下2四步、同步、同飛に5六步、同步、8八角成(5七步もある)、同銀、3三角、2一飛成、8八角成、5五桂、6二玉と進行。
長手数進めたがほぼ一本道で、一気に難解な終盤に突入することになる。
先手は銀桂交換の駒損になっているが、竜の力が強いのと5五桂が攻防によく利いているのが主張だ。


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人気戦法ランキング 第44位

≪筋違い角≫

A図
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おじさん将棋の象徴の一つが、この筋違い角だろう。
初手から7六步、3四步、2二角成、同銀に4五角(A図)と打つ。
後手はもちろん6三角成の方を受ける必要があるが、6二銀に3四角と1步を取るのが狙いだ。
以下先手は居飛車振り飛車か、好きな方を選べばよい。
ただし1步を取っても後手は持ち角、先手の筋違い角はやや使いづらく、先手が指しにくいと見られている。
どうしても自分の土俵に引きずり込みたい時、相手の得意戦法を封じたい時には考えられる戦型の1つといえる。
なお手が進んでから、筋違い角が使われることもある。
特に角交換振り飛車に対しては、3三桂を跳ねた後に桂頭の步を狙えるため、有効になることも多い。
単調な狙いだが、時と場合によっては有力な攻め筋だ。


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人気戦法ランキング 第45位

振り飛車ミレニアム≫

A図
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近年、振り飛車対策としてミレニアムが見直されてきた。
そんな優秀な囲いなら逆にやってやろう、と振り飛車もミレニアムを持ち込むようになった。
令和の時代となったが、まさにミレニアム大戦争だ。
A図は四間飛車がミレニアムに組んだ一例。
ここからは4七金と上がって桂頭をカバーしておくか、4八金寄~3八金寄として玉を固めるか、など。
指され始めたばかりなので、理想の形や組み上がるまでの手順はまだまだ手探りなところだ。
従来の美濃囲いと比べて玉が深く、また将来的に桂を跳ねて穴熊の端を攻めた際にも、美濃囲いよりは反動が少ない。
振り飛車の囲いと言えば、美濃囲いか穴熊の2拓だったが、これからの時代は新たな選択肢としてミレニアムも加わることになりそうだ。


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人気戦法ランキング 第46位

棒銀(対振り飛車)≫

A図
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A図は急戦の基本形(6八金上を省略する場合もある)。
ここから3七銀、1二香、2六銀と繰り出していくのが対振り飛車における棒銀だ。
以下1四步に3五步、3二飛、3八飛と、飛車と銀のコンビネーションで攻めていく。
基本的に対振り飛車棒銀は角の頭を攻めて、五段目に進出することができれば成功とされる。
銀の力で後手の大駒を押さえ込むのが真の狙いだ。
三間飛車に対しても指されるが、後手に3二飛の1手を省略されてしまう勘定なので面白くないと見る向きが多い。


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人気戦法ランキング 第47位

≪4六銀左急戦(ナナメ棒銀)≫

A図
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A図が4六銀左急戦。
ナナメ棒銀とも呼ぶ。
通常守りの駒である居飛車の左銀を攻めに繰り出す珍しい戦型だ。
ここから3五步、3二飛、2四步、同步、3四步、同銀、3八飛と動いていく。
棒銀戦法と同じく、やはり角の頭を狙うのが急所だ。
なおこの仕掛けは、6八金上と5四步の交換を入れずに決行したほうが有力となることもある。
6八金上は一段目が素通しになることもあり、1手掛けても玉が堅くなったとはいいきれず、後手の手のほうが価値が高い可能性があるからだ。


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人気戦法ランキング 第48位

≪4五步早仕掛け≫

A図
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A図が4五步早仕掛けだ。
振り飛車には角交換」の格言通りの攻めで、4五同步なら3三角成、同桂、2四步、同步、同飛と、飛車をさばいて先手成功。
4五步には後手も取らず6三金、3七桂、7四步、と陣形を整備していく。
以下は2四步に同步(同角も有力)、4四步、同銀、4五步と攻めていく。
先手の桂がさばけるのは魅力的だが、後手も高美濃囲いを完成させてさばき合いに応じることができるため、いい勝負だ。
後手が三間飛車から4三銀を早く決めた場合、この仕掛けはより効果的になる(4二飛と振り直す必要があるため)。


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人気戦法ランキング 第49位

四間飛車穴熊

A図
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振り飛車穴熊は一部で人気の高い戦法だ。
かつては広瀬章人先生が初タイトルの王位を奪取した時の原動力にもなった。
それまで固めるだけだった四間飛車穴熊を、現代のプロでも通じる戦法に繰り上げて大暴れした。
A図は四間飛車穴熊居飛車穴熊
いわゆる相穴熊の一例。
3九金のような固める手よりも4五步~4七銀~5六步を急ぎ、5五步と居飛車側の薄い中央から動くのを見せたのが広瀬流だ。
A図で7四步なら5五步だし、8六步、同步、同角も8八飛と回っておいて問題ない。
先手のイメージとしては5四步を垂らし、と金を作って金を剥がしにいく展開が狙いだ。
後手が序盤に5六銀に対して4四步と受ける形なら、振り飛車は4八飛と振り直して、右四間飛車で戦いを目指すことになる。


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人気戦法ランキング 第50位

三間飛車穴熊

A図
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四間飛車穴熊との大きな違いは、左銀を6八銀~5七銀~4六銀と玉側に近づけることができること。
居飛車の右銀と同じ動きができるため、堅さ負けしないで済むのだ。
A図からは5九角、4二角、8八飛が一例。
以下お互いに揺さぶりを掛けたり、1六步~2六步~2七銀~2八金上の銀冠穴熊に、組み替えを目指すことになる。
さらに3七銀と引けば最強の囲いであるビッグ4だ。
非常に堅い囲いではあるが、もちろん相手も同等の堅さを持っているため簡単に勝つことはできない。
この形は打開が難しいため、実際は先手ではなく後手で使われることが多い。
中飛車からの穴熊も銀が同様の動きをするため、8八飛と受ける展開になれば局面が合流する。


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人気戦法ランキング 第51位

≪風車≫

A図
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詰将棋作家としても知られる伊藤果八段が考案した戦法が風車だ。
ツノ銀中飛車や右玉系統の将棋で、バランスの良さが持ち味。
A図が基本的な構え。
中住まいからツノ銀+金開きの形を作る。
飛車角や玉をくるくる動かして手待ちする所から風車の名が付けられた。
何とこの戦法、先手でも千日手歓迎というから驚きだ。
相手が強く動いてくれば反動で戦いになる。
A図から一例として4二角、8九飛、8五步と進み、打開が難しい状況が続く。
千日手でも構わないという、平和主義者の方にオススメの戦法だ。


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人気戦法ランキング 第52位

丸山ワクチン

A図
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丸山ワクチンゴキゲン中飛車対策の一つ。
丸山忠久九段が得意とした作戦で、ガンの治療薬の丸山ワクチンを拝借した名前だ。
A図はゴキゲン中飛車の基本的な出だしで、ここから2二角成、同銀、9六步、9四步、7八銀が丸山ワクチン
初期は端步を突かなかったり、6八玉と上がることもあったが、現在はこの出だしに落ち着いている。
後手は5筋を突いているので、角を交換して持久戦にすれば、駒組みで後手の方が苦労するという主張だ。
角交換してあれば5筋の位も効果半減となる。


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人気戦法ランキング 第53位

≪糸谷流右玉≫

A図
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力戦派の雄、糸谷哲郎八段が奨励会時代に得意としていた戦法が対振り飛車の右玉である。
糸谷流右玉、または対振り右玉と呼ばれる力強い戦法だ。
相手の飛車の位置はどの筋でも使うことができる。
A図がその駒組みの一例である。
3八金と上がって4八玉と上がるのが大切だ。
場合によっては2七金から攻めに使ったり、6六步~6七銀~7七桂~9七角から8筋の步を伸ばしていくことも考えられる。
基本的には定跡化されておらず、力戦の戦いになる。
場合によっては上部を開拓して、入玉を狙うこともできるのが対振り右玉の魅力だ。

B図
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糸谷八段が四段当時に中原誠永世十段(当時)と対局した一局がある。
B図がその中盤で、中原永世十段が飛車を一路引いた所(悪手)だが、ここから9七角(機敏)、6三銀上、2九飛、5二金左、8六步、4一飛、8五步と進んで先手十分となった。


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人気戦法ランキング 第54位

≪菅井流角交換三間飛車

A図
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振り飛車のアイデアを数多く生み出す菅井竜也八段の名が冠されたのが菅井流三間飛車だ。
初手から7六步、3四步、2六步、3二金、2五步、3三角、同角成、同金、6八玉の阪田流向かい飛車の出だしから3二飛と振る。
A図が駒組みが進んだ所。
3五步と位を取って、3四金と前進する。
以下3三桂から2五の步を取ってしまうのが狙いだ。
この金が活躍するかが勝敗を分けることになるだろう。
振り飛車は2~4筋方面で、居飛車は玉頭方面でポイントを狙う戦いとなる。


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