昨日の続き。
B図
組み上がりの一例がB図。
5六飛と浮いた形が後手の飛車のさばきを抑えている。
先手は理想的な穴熊で、ここまで囲えれば十分だ。
次に3六步から強引に角を交換して打ち込んでいく狙いがある。
戦いになってしまえば自然と堅さの差が形勢につながる。
石田流は優秀だが中飛車左穴熊には分が悪いといえる。
後手は三間飛車以外に向かい飛車も考えられる。
初手から5六步、3四步、5八飛に3三角~2二飛と進める。
この形には5五步~5六飛で飛車先を受ける以外にも面白い構想がある。
C図
C図で2八飛と戻すのが菅井竜也八段が見せた驚きの一着だ。
一見ただの2手損だが、これでも先手が戦えると見ている。
後手に飛車先の位を取られているので通常の居飛車穴熊対振り飛車の形と步の位置関係が逆だが、それでも先手は6六銀型穴熊に組めるのが大きい。
とにかく後手の動きを抑えてガッチリと穴熊に組んでいくのが狙い。
しっかりと固めてしまえば、あとは暴れるだけで自然と指しやすくなる。
先手で中飛車を指したい振り飛車党にとっての救世主、それが中飛車左穴熊だ。