今回紹介するのは、「中原の急戦将棋」という本です。著者は中原誠先生、出版社は池田書店さんです。私が持っているのは昭和58年2月20日発行の第91版のものです。本の最初のページである「はしがき」の文末をみたら、この本の初版年月が書いてありました。何と昭和50年5月でした。45年前の作品です・・!
本書は4章に分かれていて、ひねり飛車編、空中戦法編、飛車先交換腰掛け銀編、石田流編が解説されております。
当時ひねり飛車は大流行してて、私も中原先生の将棋を真似て大分戦いましたが、相掛かり調の将棋では高い勝率を上げさせて頂きました。
私は特に中原先生の急戦調のひねり飛車が大好きでした。玉を右側に一つだけ移動して、後は飛車、角、桂だけで敵陣に襲いかかるのです。
タイトル戦では、中原VS米長の将棋ではかなりの局数が戦われました。
私は最近ネット将棋でちょくちょく使用しておりますが、結構通用したので「使えるな~!」と実感してます。ここに、大橋貴洸プロの耀龍新型ひねり飛車を覚えれば、得意戦法の一つとして大会でも使える日がくるかもしれません?!
今日の新格言 16
【優勢なときは端に手を出すな】・・戦法を問わない新格言
不利なときは戦線拡大。では有利なときは?戦線を絞るべき。特に玉に近い方の端攻めは少々の効果くらいでは手を出すべきでない。
居飛車穴熊に対して振り飛車側からの端攻めは"鉄則"。少し悪い局面で戦線の拡大とばかり端を攻める手は好着になることが多い。ぜひ覚えておいてほしい戦術だ。
ただし、優勢を通りすぎた時点でやると局面を混乱させることがある。手段のない相手に、手に乗る可能性を与えるのだ。
「悪いときは端を攻めろ」の逆、「良いときは端を攻めるな」。逆もまた真なりの金言である。
特に居飛車穴熊相手の場合、この二つの"鉄則"を知っているかどうかは重要だ。
本の紹介 9
今回紹介するのは「将棋入門シリーズ③ ・駒落ち定跡」という本です。昭和57年2月10日発行、著者は原田泰夫先生、出版社は成美堂出版さんです。原田先生は将棋連盟の会長も勤め、初心者向け解説の第一人者と言われてました。
本書は、六枚落ち、四枚落ち、二枚落ち、飛香落ち、飛車落ち、角落ち、香落ち、平手戦の指し方・戦い方の八つに分かれて紹介されてます。
昔、プロの先生と指導対局の機会があったので四枚落ちで指導して頂きました。1筋突破法を実行して勝つことができました。対局後、プロの先生から「古い定跡の指し方ですね!」と言われました。私は少しビックリしましたが、その後、先生が「この定跡を指す方と久々お会いしました!」、「この定跡でも大丈夫ですよ!」と嬉しそうに言ってくれたことを思い出しました。
駒落ち定跡の本は、いろいろ出ていると思いますが私の駒落ち将棋の原点は、この本です。原田先生ありがとうございました。今でも感謝しております。
本の紹介 8
今回紹介するのは「加藤のプロ将棋シリーズ4・プロの四間飛車破り」という本です。著者は加藤一二三九段、出版社は大泉書店さんで、昭和56年12月8日発売の第2版発行のものを持っております。
本書は全部で五つの項目に分かれています。銀を使う棒銀型、急戦の4六銀型、引き角からの棒銀型、手厚い5五位取り型、堅さの居飛車穴熊型に分かれています。
当時、私は居飛車振り飛車どちらにも矢倉囲いで対抗していたので、ここに載っている「引き角からの棒銀型」を採用して戦っていた思い出があります。この戦型の弱点は振り飛車側が高美濃や銀冠の時、自陣の桂馬を跳ねて矢倉の7七銀を狙ってくると矢倉が急に弱体化してなかなか勝ちにくいイメージを記憶しています。その後、矢倉囲いから銀冠の囲いに改良したことを覚えております。当時のことを思い出すと懐かしいです。
本の紹介 7
今回紹介するのは、「相振飛車戦法」という本です。著者が内藤国雄先生、出版社が成美堂出版さんで昭和56年8月10日に発行されたものです。
この本は、学生時代に寮に居た時、先輩に頂きました。たしか寮のヌシで七年生の"神様"でした。私は一年生の"奴隷"でした。今考えると恐ろしい関係でしたね。でもこの先輩は優しく、私が将棋が出来る噂を聞いて部屋に呼び出されました。その時に三冊の本を頂きました。その内の一冊です。他二冊も後日紹介します。
本書は、三章に分かれていて、第一章が三間飛車対向い飛車、第二章が相三間飛車、第三章が三間飛車対四間飛車が紹介されてます。現在は相振飛車も定跡化されてきていますが、40年前ごろは、「相振飛車に定跡なし」何て言われてました。でもこの内藤先生の本は親切に分かりやすく書いてあったので、当時居飛車党だった私は手強い振り飛車党相手に採用して勝たせてもらった思い出があります。相振飛車は相居飛車のように玉頭に殺到出来るので、感覚的には好きな方でした。この本も非常に懐かしい一品です。